2023.2-4 映画三昧
2.26「ワース 命の値段」をTOHOシネマズなんばで鑑賞。
調停のプロと言う事で自ら作成した計算式を用いて補償金を算出、それを事務的に淡々と被害者遺族に提示するも当然反発をくらい上手く事が運ばなくなる。
一定の距離感を置いてある程度の線引をした上で交渉に入るのがこういう場面の交渉ではセオリーなのでしょうけど・・・。
今までの調停では通用してきたセオリーも、同時多発テロという未曾有の惨劇となると被害者遺族側の心情も想像だにできない程の怒りや悲しみで納得出来ないとなるのも当然。
難しい問題だと認識していても、あからさまに事務的に淡々と提示されるとより反発感を抱いてしまうのも不思議ではないですしね。
被害者遺族側の心情を理解しまとめ上げるリーダー的存在の人物が現れ、よりこじれ出す。
弁護士スタッフの中から被害者遺族の側に寄り添う立場を取り始める人も出て来て、次第に主人公もその声に耳を傾けるように。
被害者遺族側のリーダーとも打ち解け、理解を得て交渉が上手く行き出す。
そのリーダーの存在が大きかった、というより彼の考え一つで劇的に動きだしたようなもの。
物事が動く時はそんなものなのかも知れません。
問題が起こった時の交渉の進め方や見極め方など、非常に勉強になりました。
華やかさはありませんが、内容が濃い良い映画。
3.5「フェイブルマンズ」をTOHOシネマズ梅田にて鑑賞。
スピルバーグ監督の自伝的作品だそう。
エンターテイメント性は無いけど、スピルバーグ監督の映画作りの根本にあるもの、
ユダヤの事や戦争の事、家族愛の事などが織り込まれて描かれています。
最後に出て来た有名監督、どっかで見た事ある顔と思っていたらデヴィッド・リンチ。
スピルバーグと繋がりがあったのかな。
想像力豊かで人を楽しませる事が好き、でも背負っている(背負わされている)重荷がいつもある。
そう思いつつ監督作品を思い浮かべると分かるような気がしてきました。
4.2「生きる LIVING」をTOHOシネマズ梅田にて鑑賞。
めちゃくちゃダンディな主人公。
歌も上手いし、小洒落たレストランでも絵になる。
野暮ったさは一切感じられない。
若い二人の恋愛を後押しする気遣いも見せたりする。
幸せが連鎖していく様も心地良かった。
人間の妬み嫉みはどこの国でも一緒か。
オリジナルの黒澤版とはまた違った世界の「生きる」ですが、その世界観はそのままで見応えありました。
良い作品に仕上がっていると思うのに、どうして上映する映画館は少ないのだろうか。
正直言うと黒澤版はアクと言うかクセが強すぎて最後までしっかりと見ていなかったんですよね。
冒頭を見ただけで見る事を諦めたような記憶が・・・。
もし同じような感覚を持っているのであれば、この作品から入るとオリジナル版もきっと楽しめます。
と言うか、オリジナルの黒澤版「生きる」の良さや面白さがより分かるかも。
逆にオリジナルが好きな方が観ると”違う”となるのかも知れませんが。